老人の求めるエロチズムは、単なる性欲ではなく自己の存在の確認を意味するところもあるが、ササキアキオの場合は単なるヨボヨボの・色情狂である。

 脳血管疾患の発症で麻痺が残り寝たきりになったササキアキオ(82歳)は、認知症を進行させ、排泄の失敗を繰り返し、股間のモノを握り締めて主役の潔癖さで叫び続ける。「うなじは、あそこだ!」「うなじは、あそこだ!」

 色情狂ササキアキオがコピー用紙に描き、ばら撒いた一本のエロチズム

百枚以上描いた中の一枚。

家族はササキアキオ(82歳)を隔離した。

 

ストリッパー

  20〇〇年、人口の約4割が高齢者となった某国で、「尊厳死法」が施行された。長年の議論を経て成立した同法は、当初「本人の意思を尊重する終末期医療の選択」として期待を集めたが、施行後まもなくその解釈が拡大され、「尊厳死請負」と称する新たなビジネスが次々と誕生、社会に深い分断と混乱をもたらしている。
 寝たきりの高齢者や認知症患者に対して、家族の同意のもとで尊厳死が実行されるケースが急増している。さらに、独居の高齢者が自主的に手続きを行い、命を絶つ事例も相次いだ。

 一方で、「尊厳死は殺人だ」と主張する反対派も現れた。彼らは地下組織を結成し、国家に抗う老人たちへ“反撃の手段”を提供しているという。
                    

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