2023年(11) 重力のある「沈黙」の圧力から、無重力の「静けさ」へ解放されたヨボヨボジジイ。クリアー(明晰、鮮明、透明)な空中に浮かんでいるクリアーなヨボヨボジジイの至福。

 なんて清々しいんだ。空間だけではない、ヨボヨボジジイ自身がクリアーなのだ。ヒャー!明晰で、鮮明で、透明で、空気より軽いみずみずしい精神と肉体。夜中から未明のどこかで、クリアーなヨボヨボジジイが、明晰で、鮮明で、透明な大自然の「静けさ」の中に浮かんでいる。

明晰で鮮明で透明。

 この関西メディカル病院コロナ隔離病棟内に、大自然が存在している?

 朝6時点呼、看護師さん、熱いおしぼりを持ってくる。フェイスガードの隙間に笑みがあったり、なかったり。最初は、熱いですよと振ってくれていたおしぼりも、今はビニールに入ったままだ。元気なヨボヨボジジイ不満ではない。朝7時、もうすぐおいしい朝食ですよと、割り箸とスプーンをテーブルに置く。空腹のヨボヨボジジイ、ヘイヘイヘイヘイと上体を起こし、クンクンクンクンとお座りして朝食を待つ。アッレー?ヨボヨボジジイちょっとペット気分・・・・。ウ〜ワンワンワンワン!

 「千里に雪が積もりました」看護師さんの新鮮な報告に、ヨボヨボジジイは部屋を出てフロアーの端の窓から千里の写真を撮った。目の前のビルとビルの間のモノレールの高架線と、その向こうの明晰で鮮明で透明な雪で光る千里を撮った。

 モノレールの高架線は、ヨボヨボジジイが自宅へ帰る「」だ。

 斜め向かいに隔離患者が入り、いつの間にか510号室はめでたく満員御礼!

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